漫画家の故中沢啓治さんが自らの被爆体験を基に描いた漫画原爆被害を題材にした
「はだしのゲン」について、「描写が過激だ」として松江市教委が昨年12月、市内の全小中学校に
教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を求め、全校が応じていたとのニュースを
目にしました。
この出来事から、戦争、原爆は既に過去のことになってしまっていることが浮彫になっているのだ
と感じてしまいます。
特にこの夏の時期は8月6日の平和式典、8月15日の終戦記念日など、戦争を忘れてはならない
という思考が年間を通じても一番、問題意識が高いとされる時期だけに、このタイミングでの
松江市のニュースは戦後の戦争教育の無意味さを痛感させられます。
実際に戦争を体験した方が、二度と同じような惨い経験をして欲しくない一心で、
思い出したくないことを書き残していることを思うと、なぜその思いを無駄にするような
ことをするのか、疑問しか生まれません。
広島県出身の画家、故平山郁夫氏も広島市内で被爆し、平山氏の友人も多く犠牲になり、
どうして自分だけが生き残ったのか、苦悩の日々が続いたそうです。
その後原爆後遺症後(白血球減少)で一時は死も覚悟した中、玄奘三蔵(三蔵法師)をテーマと
する『仏教伝来』を描きあげ院展に入選、以降郁夫の作品には仏教をテーマとしたものが多く
なります。
被爆経験から平山氏の作品を見ると、何となく見逃してしまう一瞬一瞬の無常観や、普遍的な
日本人の美意識を額の中に切り抜き、閉じ込めたような印象を持ちます。
戦後生まれの、戦争を知らない私たちが戦争という過去の事実 をどう受け入れ、
どう学び、自分の子供たちにどう伝えて行かなければならないのか、一人ひとりが考えて
行かなければならない時期なのでしょう。
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